2019年6月11日火曜日

世界史の実験 柄谷行人


読書会に行けなかったので書いたメモを公開。
しかし、まったくレジュメになっておりません。
内容、難しかった〜。読書会に参加できなかったことがとても残念。
なんども読み返す行為ってとても興味深い。



世界史の実験 柄谷行人 岩波書店 レジュメ            19/6/10 林友深作成

レジュメ
第一部
歴史の実験、実験の史学とはなんであるか/柳田を実験の史学に促した要因/柳田と島崎藤村の共通点/柳田国男と平田派神道/国学と古学/山人/日本は神の国/土着の信仰のこと

第二部
山人について/固有信仰/原無縁・山人・原遊動民/原父、超自我、トーテム・・

感想
“実験というのは素養あるものの、計測あり予測ある観察のことである。これには忍耐と、疑いを解こうとする情熱とを要するのである。”

日本は神の国であるという言葉に強い衝撃をうけた。
出来事を見る視点が「自らの視座」ではなく実験者のような目線。
観察者でありながら自然選択の一部になるような視点を持つこと。
土地と先祖という考え方が、なんだか日本らしいと感じた。地震が多い国だから建造物が流される、崩れるという経験が強い。私たちは家ではなく土に還る気持ちが強いかもしれない。景色というものの情報が強い気がする。(よくわからないほんとうに)
時間的差異と空間的差異のことから、水の波紋や花の形状や曼荼羅等の構造を想起した。エネルギーの流れ方。
自然実験という名の観察方法について。観察という行為について。私がもっとも大切にしている行為である。観察とは自我の影響と自然の流れの調和ではないか。調和なのか。超脱なのか。
自分の興味は仏教が80%くらいだと思っていたけど違うかもしれないと思えた。
日本とはなんなのか。

“原始のかなたから生きつづけてきた、「無縁」の原理、その世界の生命力は、まさしく「雑草」のように強靭であり、また「幼な子の魂」の如く、永遠である。「有主」の激しい大波に洗われ、瀕死の状況にたちいたったと思われても、それはまた青々とした芽吹きを見せるのである。日本の人民生活に真に根ざした「無縁」の思想、「有主」の世界を克服し、吸収しつくしてやまぬ「無所有」の思想は、失うべきものは「有主」の鉄鎖しかもたない、現代の「無縁」の人々によって、そこから必ず創造されるであろう。“


ワードメモ
マルクス資本論に依拠してマルクスを考えた。周縁。/デモクリトス/エピクロス/ヘラクレイトス/スピノザ/内的体系/論理的体系/交換/価値は交換において生じる/命がけの飛躍 salto mortale 神への信仰←→絶望 死に至る病/ヘーゲルの観念論的な哲学/唯物論/弁証法的唯物論/キルケゴール/生産様式から交換様式へ/柳田國男 体系化の難しい多領域の学問/吉本隆明/抽象というものの本質的な意味が生まれない。勘でつなぐ空間的な広がり(無方法の方法)/共同幻想論/数珠玉を集めた本をもとに抽象する/抽象する、/ヘーゲルにもとづく体系的な認識を試みた/モンテーニュ エセー/叙述形式/べつの内的体系 抽象の本質と無縁。抽象が自己完結したとたん、別の相貌をもってあらわれる。/風景の発見 近代思想の鍵/児童 近代につくられた/商品交換をコミュニケーションとして見る/先祖の話/想像ラジオ/山人 原遊動民/国木田独歩/日本近代文学(日清戦争の勝利)の起源と中国近代文学(日清戦争の敗北)の起源が深く連関する/魯迅/周作人/ジャレド・ダイアモンド『歴史は実験できるのか』/柳田國男『実験の史学』/複数のシステムの比較/定点観測の場として世界史を通観/網野善彦/カント/ルソー/憲法9条/世界同時革命/ロシア革命/国際連盟/新渡戸稲造/北村透谷/島の文化史上の意義/日本という島から「人」というものの発達を考えて見ることができる/エスペラント/政治を民俗学から得た認識を通して見ている/柳田「団結を抑制して個人を自由にする」「公民として病み、かつ貧しい」公民の民俗学/1920年代にはありえた「実験」の消滅/島崎藤村/新体詩/平田派神道/国学と古学/敬神/漢意/仏意/憲法/原無縁/武士の話/柳田の山人、網野の原無縁、柄谷の原遊動民が同じものを指している話/死の欲動/自我/超自我/ユーモア/トーテム/タブー/家父長制領域/兵農分離

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