透明な板に絵を何層も重ねてから裏返すと、時が逆行します。
木の板にグラスデコで絵を描いて乾いてから引っ掻いてぺりぺり剥がすと時を巻き戻せます。
時間は自分自身で操れるんですよ。知ってた?
子供たちの造形教室で絵を描く子たちを見ていると、完成「させる」ことより完成を「目指す過程」が大事なんだな、と思う。
完成は「紙が破れるギリギリまで絵の具を乗せる」ことでも「先生の求める正解に近づくこと」でもない。けっこう、先生が期待する完成像を通り越していくから面白い。そのままどんどん描き足してグチャグチャになってしまうこともあるけれど!
完成という地点に辿り着くのも、その地点を見抜くのも、簡単ではない。
この造形教室で教える先生たちはそれをわかってるから、完成の正解を押し付けない。また、子供たちにとっての「完成」にも囚われすぎず、「何をもって完成とするのか」や「完成の目指し方」を一緒に考えているんだと思う。
先生たちは先生である以前に、作家だからね。
教室には色んな子がいる。
イメージが頭の中にあって、それを目指して構築する子。やりたいことも絵もどんどん変わっていく子など。
完成を決めるのはその子自身で良い。
アドバイスは、するけど!みんなそれぞれが完成地点を選ぶことができるんだ。
絵は面白いもので、失敗しても巻き戻せることがある。巻き戻せなくても引き算することができる。進みながら捨てたり足したりしていける。絵が停滞しても、待ちながら移動できる。待つ=stay ではない。
こんなこと考えてたら、絵を描く子供の絵ができた。今一番描きたかったのはこの眼差しだったんだ。
まだ途中